経済学からの視点と現実との乖離

これからはグローバリズム社会とささやかれて

随分と年月が経つ

 

グローバリズムとは

地球を一つの共同体と見なして

世界の一体化(グローバリゼーション)を進める思想

 

その思想を推し進めるために

規制緩和構造改革が正当化されている

 

結果的に自由貿易規制緩和

緊縮財政というグローバリズムの三大政策パッケージが推進されて

一部の人は確かに儲かっているが

多くの国民が所得を増やせずに

国内の格差が拡大して

社会が不安定化しているのが現実

 

そして

「デフレ」による国民の貧困化

 

なぜ日本がデフレから脱却できないのか

 

なぜ一部の投資家とか

一部の企業だけが絶対に儲かるような規制緩和が行われ

社会が不安定化していくのか

 

そもそもの根底として

学問である「経済学」が間違っているということを

ご存じだろうか

 

まず何をベースに経済学が成り立っていると思いますか

 

「経済人」をベースとしているが

その経済人とは経済合理性のみを追求する人間

 

必ず合理的に動くという前提となっている

 

しかも

経済人は市場で情報を共有している

製品の情報とかサービスの情報とか価格情報を

みんながすべて知っている

 

そういう状況でフェアに競争して

買ったり売ったり

財やサービスの取引をしている

 

そうすることによって

効用の最大化されるというのが経済学

 

効用とは何かと言えば

モノやサービスに対する欲求を満たせるかどうかを

判断基準にして測られるもの

 

つまり市場において

経済合理性以外の価値観をもたない「経済人」が

情報を均等に共有し

フェアに市場で取引すると

モノやサービスが欲しい人々の欲求が満たされ

社会全体の効用が最大化されるということ

 

しかし

経済を良くも悪くもするのは

感情、心がある人間をベースに考えるべきもの

 

存在しえない経済人をベースにすることがおかしな話

 

人間というのは

いろいろな価値観、考え方のなかで

情動による不合理な行為をしてしまうこともある

 

人間は経済合理性のためのみに生きているわけではない

 

しかし

経済学の数式のモデルを作るときに

経済活動に参加している人が

いろんな価値観を持ったら都合が悪くなる

 

数式のモデルを作れなくなるから

 

だから

情報が均等に与えられる経済人という

架空の人間を設定している

 

情報が均等なんて絶対にありえないのに

情報が均等に共有されるということにして

市場で自由にフェアに取引をすると仮定する

 

すると

効用が最大化されると

 

それに基づいてモデルを作りましょうという

そういう前提で経済学が成り立っている

 

はなから前提が間違っているから

経済学が現実を説明できないのは当たり前

 

現実を説明する学問じゃないのが「経済学」

 

だから

人間の心理をベースにして意思決定を行われる理論である

新しい行動経済学という分野が登場している

 

ということで

 

まず報道やネット記事など現実の世界で

経済の話をする経済評論家さんたちは

どんな前提で話をしているかどうかで

意図を読み解いてみよう

 

恥ずかしながら

自身も学生時代は

経済学部経済学科を専攻していた

 

ほとんど勉強した記憶がないので

この歳(50歳くらい)になるまで

全然知らなかった

 

今現在のほうがよっぽど

経済の仕組み

金融、財政について理解できるようになった

 

まだまだ知識不足は否めないが

今学んでいることが「なるほど」と思えることばかり

 

これも前提を知らないと

社会の仕組みが真に理解できないということ

 

あなたは「経済学」で未来予測できると思っていますか・・・