日々幸福を感じる「あり方」

自分を見失うことはないですか?

 

誰もがそうそう自分を見失うことはないと思っていることだろう

 

それでは

日常で感情的になることはないですか

 

家庭でも

外での活動においても

不快な 状況に陥れば

たいてい感情的になっていることがある

 

お分かりのことだと思うが

感情的になっているときこそ

自分を見失っている

 

感情的になれば

周りの声がはなかなか聞けない状況になる

 

何せ自分の心の不安定さを元に戻すことに

必死になっている状態だから

 

三者からみればそんなときが

「理屈通りに動かないのが人間だ」ということがよく理解できる

 

しかし

感情的になるにも度が過ぎると

時には自分自身や相手の心や体を傷つけることにもなり得る

 

そんな状況に陥らないように

相手に自分の話を聞いてもらえるように

自分の思いが正しく伝わるように

あるいは誤解を生まないように

そして

何より良い人間関係を維持するために

日々を幸福に暮らすために

目に見えない  「心」について考えてみよう

 

自分の「心の作用」を自覚することはありますか

 

心にもいろいろな無意識の作用があることを知っていますか

 

この自動的な精神システムを

経済学者リチャード・セイラーとキャス・サスティーンは

「内なるトカゲ」と呼んでいる

 

その「内なるトカゲ」と表する無意識の働きにより

人は歩き、話し、五感から得た情報を理解し

好き嫌いを育み、友達を選び

そして恋に落ちることができるようになっている

 

内なるトカゲは実に賢く本能に忠実で

それが自分自身であり

人が普段あえてその存在について考えたりすることはない

 

内なるトカゲはそれを意識する前に

瞬発的に勝手に動き出す

 

そして

自分からそれを止めることができない

 

内なるトカゲは人の意識と違った世界の見方をしている

 

内なるトカゲにとって

心(感情)に最もしっくりくるものこそが真実

 

内なるトカゲは

「馴染みがあること(感情のまま)」と

「真実であること(理屈)」の区別ができない

 

心が穏やかなときは

内なるトカゲも問題 ないが

「感情的になったとき」などに「エゴ」と化す

 

このエゴが 理屈より感情の声を従わせようとする

 

たとえば

人から面倒なことを頼まれたとき

苦痛を感じることはないだろうか

 

不快な感情が湧くことがあるはず

 

その感情がどう反応しますか

 

どんな行為になるだろうか

 

苦痛から逃れようとしないか

 

もちろん

ときには理性でその感情を抑えて

頼まれたことをしようとすることもあるだろう

 

それは意識のうえで理性で抑えているから

 

 無意識の行為は

たいていが苦痛から逃 れよう、避けようとする

 

フランスの哲学者ミシェル・フーコ ーは

「権力は自分の外(警察、軍隊、 政治とか)にあるのではない

 そんなことはデタラメだ

 人は自分が善であって、敵と戦っていると勘違いしてしまう

  権力は自分のなかにあり、自分自身が自分を縛り付けている権力だ」と語っている

 

これを

自分なりに解釈すると

権力とは自分の エゴのこと

 

人は思い通りになるほど

或いは思い通りにならないほど

 自分のエゴから目を背け

(自分のことは棚上げして)

外に原因をつくって自己正当化したり

物事を自分の都合のいいよう

(居心地がいいよう)に解釈する

 

もちろん

人は自分の世界観のなかでしか物事や人を捉えられない

 

だから

自分の知らない世界の捉え方は見ないように避けるか

 

自分の世界観

(今までの培った知識や考え方、 エゴなど)で真偽に関係なく

物事や人を捉えて評価判断する

 

誰しも知らない世界が必ず存在することは分かっていても

自ら情報を得て真偽を確かめることは努力を要することだから

 

内なるトカゲの世界観ではそんな面倒なことはしない

 

常に 内なるトカゲは即実性(早い結果)と

確実性(その時の損得感情で得られるもと思っているもの)で

反応し続ける

 

この内なるトカゲの性向を念頭に置き

自分のエゴに気づくことができれば

相手の考えを理屈だけで変えることの難しさを理解できる

 

何より抗うことが難しい心の作用は

心理学で言うところの

「ゾウ(感情)とゾウ使い(理性)」の関係くらいの力の差がある

 

湧き上がる感情が理性を使う方向性

(善か悪か、ポジティブかネガティブかなど)を決めてしまう

 

 

 良い人間関係を築くうえで大切なことは

自分の理屈だけで相手を理解しないこと

 

自分にも心があるように相手にも心があり

その無意識な心の動きを含めた理解が必要

 

自分にとっても相手にとっても

苦痛なことや不都合なことであれば

正しい理屈であっても感情が否定する

 

たとえば

国会の答弁や閣僚の記者会見を見てどう思いますか

 

あら探しの質問や揚げ足をとることばかりするのはなぜですか

 

ひとつには

感情的にさせて失言を引き出して

自分の意図する方向に持っていくため

 

典型的な例

 

社会をよりよくすることが目的はずだが

お互いが自分の心(エゴ)を満たすことばかりに

終始している

 

自身は

自分も相手もできるだけ感情的にならないよう

言葉を選んで気をつけている

 

しかし時には

お互いに感情的になることもあり得る

 

そのときは意識して時間をおくようにしている

 

時間が経てばたいてい治まっているから

 

そこから

お互いが失敗や間違いを許すこと、認めること

そして

今後よりよくするにはどうするかという建設的な

話し合いができるように心がけている

                  

相手と口論、議論はできるだけ避けること

お互いがお互いを尊重できる関係性を維持すること

理屈以上にその時々の互いの心の状態を理解することを

意識し、健全な心(穏やかな心)を維持できるにしよう

 

それが日常で幸福を感じるひとつのあり方である