一事は万事でもなく、万事は一事でもない

若干の反撃があるのを承知で言わせてもらうが

よく気象予報士や経済学者が

「地球が温暖化するのは当たり前のことではない!」と

叫んでいることがある

 

私から見ると

自分で伝熱計算ができないで

なぜそんなに温暖化に確信があるのか理解できない

 

世の中というのはいろいろな理由で異なる意見がある

 

それは政治的だったり、科学的だったり

果ては宗教的だったりする

 

その時に

「自分の考え」というのは

「自分自身が考えて確定する」のでなければ

「誰かの言うことを信用する」ということになり

それは「科学」ではない

 

科学は人を信用するかどうかで決まるものではなく

自分で事実を当たり

科学的に整理し

必要に応じて計算し

そして自分の考えを確定するものだ

 

だから伝熱計算をすることができない場合

地球が温暖化するかどうかは不明で

単に誰かが言っているのを

「信じている」にすぎない

 

そんな時には気象予報士

「私はIPCCを宗教的に信じていますから

温暖化すると思っています

私がそう考えているのではありません」と言うべきだろう

 

その意味では

地球が温暖化するかどうかを自分で判断できるのは

地質学や古生物学の知見から歴史的に考える人

太陽活動や地球の動きなどから考える人

そして私のように地球と宇宙、地球の中の熱対流や熱伝導から考える人

つまり

やや物理的な学問分野の人でなければわからないはずだ

 

気象の人では判断することができない

 

なぜなら

地球温暖化というのは結果的には気象の問題だが

問題は気象学では解けないからだ

 

気象学は現在の状態が変化して雨になったり

嵐になったりするのを予測したり

観測したりする学問で

地球の基本的、長期的な動きを予想することができないからだ

 

またコンピュータ技術者も予測はできない

 

コンピュータによる計算というのは

得られた結果が間違っているか正しいかは

不明だからだ

 

まず計算する式が正しいか

そこに使用する定数などが正しいかという問題があり

さらに計算に間違いが入ることがある

 

だから

コンピュータ計算分野でもっとも進んでいる流体の科学でも

最終的には風洞実験で実証しなければならない

 

それは人間の頭で考えるコンピュータの計算が

正しいと確定する科学的手段がないことを意味している

 

しかし現在は

「地球は温暖化する」ということが

あたかも正しいことのように認識されている

 

その理由は次のとおりである

 

  • 多くの人が忙しく、それでいて自分の考えを固める必要があるので

 他人の受け売りに終始する

 

  • 誰を信用するかの基準がないので、とりあえず「社会で偉い人」を選ぶ

 温暖化の場合は科学の問題にもかかわらず

 政府やIPCCという政治の関係者が選ばれている

 

  • 温暖化問題で損をするのも得をするのも国民だけである

 

  • 以上の理由によってこの問題は、政治問題であり、科学の問題ではない

 

自分で計算したりして確信を得るのではなく

利害関係で決めている人が多い

 

ということだろう

 

私は当初

地球温暖化を論評する書籍を執筆していたが

今では科学的に説得するのはやめている

 

それは

これまで示したように政治の問題を

科学として論じてもムダでえあるからだ

 

 

かつて

ダイオキシンの毒性が社会的な活動によってわからなくなり

ダイオキシン問題は科学が社会に負けた例である」と

述懐した人がいるように

温暖化もまたほぼ似たような経過をたどって

「科学が政治に負けた」例として

人類の科学史に汚点を残すだろう

 

ただ

温暖化に費やされている税金などの公的なお金は

年間約3兆円に及ぶと考えられている

 

でも

この数字も正確ではない

 

私は各省庁の予算のうち

温暖化に関係する予算を合算しようとしたが

間違った数値を出す可能性が出すので

途中でやめた

 

リサイクル率のように現場に行って物を調べればわかるということは

科学的に処理ができるが

人間のごまかしが入っている対象物については

原理的に明らかにするのはムリである

 

温暖化の直接的な出費のほかに

太陽電池などの不効率な発電方法を使うことによって

国民が支払う余計なお金は

2017年で2兆円と算出されていて

それだけで膨大である

 

その他

炭素の排出量が少ない工業に対する補助金

電気自動車、原子力発電に対する補助金などを加えると

さらに膨大になり

推定では10兆円は下らないとされている

 

ダイオキシンで2000億円といわれ

地球温暖化はその範囲をどのくらいにするかで違ってくるが

直接的に自治体や政府が出しているお金が

3兆円程度といわれる

 

しかし

地球温暖化対策は直接的なものだけではなく

CO2出さないからという理由で行われている太陽光発電

原子力発電などの発電方法の転換や

燃料電池自動車

電気自動車への補助金

 

各種の電気製品の開発やビジネスに対する補助金など

少し大げさにいえば現在の国や地方自治体の多くが

「温暖化対策なら公的なお金を出す」ということになっている

 

そのおおもとの「温暖化するか」が大きな疑問であるのに

何をやっているのかわからない感じだ

たとえば

経済産業省のデータによると

太陽光発電の負担金は

2012年ごろから1000億円を超え

2015年には1兆円を突破

そして

2017年にはついに2兆1000億円に達している

 

そして原子力発電は

福島事故による損害の規模は

最初に22兆円ほどといわれたが

その後、2017年に発表された

日本経済研究センターなどの研究では

汚染水などの処理に32兆円

賠償に8兆円

除染に30兆円で

合計70兆円を要するとされる

 

このうち

東電と国がどのくらいの割合で負担するかということもあるが

もともと東電が負担しても電気代として取られるのだから

税金とほぼ同じである

 

つまり

このお金を20年間にわたって負担すると

1年あたり3兆円5000億円にもなる

 

さらに原子力発電を続けると

以前から発電、研究開発、核廃棄物の処理などで

税金を定常的に4000億円程度

核廃棄物の建設費や運営などで

20年間に5兆円規模のお金を出している

 

だから

地球温暖化では電力だけで

6兆円を超える金額になり

合計は12兆円以上になっていると考えられる

 

年間12兆円というお金の額も大変なものだが

それより大きいのが「知的損失」だろう

 

つまり

大学の研究もさまざまな工夫も「地球温暖化」という

大きな枠がかかっていることによって

すべての活動が矮小化しているのだ

 

それも現実に近未来

日本に襲ってくる大きな災厄なら別だが

幻想のようなものにとらわれた活動だから

何も生まない

 

お金も意味のあるお金にならない

 

これでは日本が国際競争力に負け

組織は腐敗してウソや策略が横行し

かつてあれほど繁栄した日本の産業が衰退するのも当然だろう

 

この結果は

もともと日本の停滞は

「ムダなところにお金と時間をかけている」

というところになることが

白日の下にさらされたことを意味している

 

今日はここまで

 

あなたは

昨日から紹介している

誠実な科学者の視点をどう咀嚼しますか

 

この言語空間においては前提として

ここで紹介している内容や

自身の考え方には

必ず「疑問を抱くこと」

 

そして

学んできた基礎知識を照らし合わせながら

もちろん他の視点を参照することもしながら

自分なりに思考してみる

 

その思考した結果

どんな人間性も伴って優れた人でも

一事は万事にはなり得ないことが理解できる

 

一事を極めることはとても社会にとっても有意義だが

一事を極めた人だけでは全体像が把握できることはないし

他の一事を極めた人には到底及ばないということ

 

もっと言えば

万事は一事にもなり得ないということ

 

万事は浅く広くになるので

万事を極めることができない以上

一事を極めた人に到底及ばない

 

ここである本から引用すると

 

人間はほかの動物よりも

さまざまに劣っているところがありながら

これだけの文明を発達させてきました

 

この事実を見ると

少しは「頭がいい」と思ってもいいかもしれません

 

人間の「頭の良さ」はどんなことに由来するのでしょうか

 

現代の脳科学では

頭の良さ=他人とうまくやっていけること

だと考えています

 

他人と心を通じ合わせ

協力して社会をつくりあがることが

人間の頭の良さの本質だということです

 

頭の良さというのは

社会性と深くかかわっているのです

 

他人の心を読み取る能力を専門用語で

「心の理論」といいます

 

コンピュータはいくら計算が速くできても

心の理論はもちません

 

他人の心を読み取り

初対面の人とも

うまくコミュニケーションが取れる能力においては

人間はコンピュータよりもはるかに優れています

 

また

サルなどの群れをつくる動物と比べても

人間の社会的知性が優れていることは

疑う余地はありません

 

現在までの知見を総合すると

厳密な意味で他人の心を読み取ることができるのは

すべての動物のなかで人間だけだとされています

 

相手の考えが容易に判断できない場合であっても

目には見えない相手の心を感じることができるのは

人間だけです

 

「あうんの呼吸」といった言葉は

そんな微妙な人間同士の関係を

言い表しているといっていいでしょう

 

他者を受け入れ

共生していくことが

「頭の良さ」につながっています

 

つまり

一緒に仲良くいることで

頭が良くなるということです

 

引用はここまで

 

誰もが例外なく

見えない、知らない、分からないことが

たくさんあるはず

 

だから

疑問を持つことは

信用していないという前提ではなく

他者を受け入れ

共生していくためにも必要だから

 

そして

自分も相手も

頭をよくするために(思考力を高めるために)必要だから

 

その思考、意識をよりよく活用するために

「心の理論」といわれるように

「心の術」を身につけることは

社会的知性=頭の良さにつながり

不可欠な要素となる

 

話を戻すと

ムダな税金の使われ方という言葉は

お金の仕組みを学んだあなたなら疑問を持つはず

 

デフレである以上

ムダでも有効需要が生み出せて

供給力も伴っているなら

経済成長する可能性があるということ

 

環境問題ばかり

今の少子化対策ばかりに目を向けるのではなく

需給ギャップ(需要<供給)があるところに

しっかりと財政出動すればいいだけの話

 

そもそも

すべては資金不足が問題であり

所得を増やすことに注視する

 

だが

その所得の増やし方が

金融資産(投資)や民間側に求めるのは間違っていることも

今まで学んできた通り

 

すべては

政府が財政出動すれば

ほとんどのことが解決できるのでは?

 

姑息な財政出動しても

また財政出動しても効果がないというレトリックに使われるだけ

 

財政出動の規模が小さすぎて話にならないということ

 

さらには

そもそも歴史の流れから

主力の日本産業を衰退させるようにしてきたのだから

 

構造的に問題があって

それを政治家だけに任せたこと自体が間違っていたこと

 

という考えに自身としては至っている

 

この誠実な科学者とは

そういう面では意見が違う面があるが

それは当たり前

 

よりより議論するために必要なこと

 

あなたはどう考えますか

 

あなたなりの意見を持てるようにしよう