原始人と現代人の生きる意味の変化

価値観に沿って生きると

なぜ不安感が減るのだろう?

 

ぼんやりとした不安が

将来への心理的距離によって起こるなら

価値観には「未来を今に近づける」

働きがあるのだろうか

 

ここでいったん狩猟採集民の「価値観」について考えてみよう

 

人類学のデータによれば

彼らが生涯にわたって持つ人生の目的は

シンプルにひとことで言えば

「生きる生む育てる」の3つだけ

 

狩りをしながら日々の糧を稼ぎ

部族内のパートナーと子を産み

愛する我が子の成長を死ぬまで見守れば

人生の目的は達成してしまう

 

すべての生物は遺伝子による

産めよ増やせよ地に満ちよ」という

命令に従って行動する

 

その点では人間も例外ではなく

あなたの喜びも悲しみも生きがいも

すべては種の保存のために備わった機能の一つに過ぎない

 

人生に哲学的な目的などあろうはずがなく

それゆえに原始人にとって

人生の意味はいまよりも単純だった

 

ところが

ライフサイクルが複雑化した現代では

「生きる生む育てる」の他にも

様々な行為に価値を見出すようになった

 

「有名になる」

「金持ちになる」

「良い会社に入る」

「好きなことをして生きる」・・・

 

価値観の多様化といえば

聞こえはいいが

定期的に新しいライフスタイルや

人生の意味が提示され続けなければ

どうしても迷いや不安が生まれてくる

 

新しい商品が出て楽しい気分になったものの

どれも選べなくなり

逆にストレスを抱えたようなもの

 

価値観の多様化が問題なのは

あなたの未来像を

ぼんやりとしたものに変えてしまうこと

 

狩猟採集民のように

「生きる生む育てる」だけを目的にすれば

その時点で未来の姿は100%確定し

もはや次の行動に思い悩む必要はなくなる

 

いっぽうで

現代のように選択肢が豊富な社会では

未来の姿はいくつにも分岐をくり返し

決してひとつに定まることがない

 

あいまいな将来はあなたのなかで

明確な像を結ばなくなり

結果として未来との心理的距離は

遠くなっていく

 

これが価値観のブレによって

不安が起こる理由

 

この問題を解決するには

いったん分岐した未来をまとめるしかない

 

自分のコアとなる価値観を見出し

未来を今に近づけていこう

 

著書の引用はここまで

 

あなたは納得できますか

 

不快な状況に陥れば 

理性を使うほとんどは

自己正当化

被害者意識

都合のいいような後付意味付など

 

心を安定させるためには

本能的な反応であるから仕方がない

 

ハッキリ言えば

今自分の理解できることばかりに使うのが普通だろう

 

価値観という言葉でさえ

日常では会話にすらでてこないし

聞くことも聞かれることもないだろう

 

しかし

これだけ人生の質は上がるといわれても

誰もが深く考えない価値観

 

なぜだろう

 

そういう環境でないから

 

教えられてないから

 

学校で学ばないから

 

宗教や哲学を勉強してないから

 

どれが正解かは分からない

 

どれもが正解かもしれないし

どれも違うかもしれない

 

ただ

抽象的なものを考えて

言語化するのは

慣れてなければ

とても苦痛を伴うだろう

 

理性は基本

沸き上がった感情に従ったものに使う

 

「日々楽しいほうがいい」に決まっている

 

「日々やりたいことをやりたい」に決まっている

 

やりたくないものはやりたくないに決まっている

 

感情のままに生きれば

その時はいいかもしれないが

その価値観が持続可能性をもたらせているか

それで未来が開けるか

未来のことが今に近づけることが可能か

 

そのときは考えられなくても

冷静になったとき振り返ってみよう

 

しかし

そこに価値観は何かを考えさせない 

今という絶大的な存在は感情で動かされるのが

日々の判断材料

 

あなたにとって生きる意味

 

何より大切にしたい「価値観」はなんだろうか・・・

 

「人生はトレードオフ」が意味するもの・・・

トレードオフ」って分かりますか?

 

トレードオフとは

何かを得ると別の何かを失うという相容れない関係のこと

 

平たく言えば

「あちらを立てればこちらが立たず」

 

誰もがいくつになっても

健康を維持して気持ちよく暮らしたいと思うことだろう

 

今ではインターネット上でもテレビでも

数多くの健康情報が溢れている

 

そういった膨大な情報を見て選択に困ることがあるだろう

 

確かに

ある健康法を評価する話もあれば

否定する話がどちらもあるから

混乱するのも無理はないこと

 

ここで問題

 

次の二つの主張はどちらが正しいだろうか?

 

一つは

「野菜を加熱するとビタミンなどが減ってしまう

  だから野菜は生で食べたほうがいい」

もう一つは

「野菜は加熱すると身体にいい抗酸化物質や抗がん物質が増える

  だから野菜は茹でたほうがいい」

 

・・・

 

実は二つの主張はどちらも間違いではなく

確かなエビデンス(科学的根拠)がある

 

つまり

生野菜と茹で野菜にはそれぞれメリットとデメリットがあり

完璧な食べ方は存在しない

 

これがトレードオフの意味するところ

 

これは人生そのものにも当てはまる

 

現状維持したい自分でありながら

未来に不安を抱えている自分もいる

 

今のままではどうなるか分からないとは

誰でも薄々分かっていること

 

しかし

何も代償を払わず、現状維持ができると思うだろうか?

 

そうは思わないだろう

 

未来も現状のままで生活できているなら

貯金をする必要がないだろう

 

もちろん

今よりより良くしようすることも同じ

 

現状のままで自然と都合よく

より良くはならないでだろう

 

だから

今の楽しむ時間や大事なお金を未来のために使っているはず

 

つまり

「今」か「未来」かのどちらか一つを選択していることになる

 

同じ時間や同じお金で

現状維持とよりよい未来を両立させることはできない

 

これもトレードオフ

 

年齢に関係なく

生きている限りずっとつきまとうジレンマ

 

もちろん

未来は何とかなるからと今の自分にとって

心地よいことを選択することが悪いということではない

 

問題となるのは

その選択によってエラーが起きるたびに

自分のことを棚上げして

(やってこなかったこと、相応の代償を払っていないなど)

環境や人のせいにしてしまうこと

 

それでは

同情してくれる人はいるかもしれないが

自分が必要なときだけ

助けを求められる状態と同じ

 

そんな都合のよいことはそうそうないだろう

 

それでは

人生に最も必要な良い人間関係を保てることはできない

 

自分の悩みや問題や不安は

今の自分の能力では解決できないから起きていると言える

 

ということは

今理解できることや今やれることでは解決しないということ

 

答えは出ているのに

同じ方法ずっとやり続けて

違う結果を望むことなど到底おかしな話

 

ではどうすればいいだろうか?

 

上記で言えば

偏った食べ方をしないこと

 

いろいろな料理をバランスよく食べるしかない

 

或いは

今も大切だろうが未来のことにも目を向けること

 

もちろん

今のこと(日々楽しむこと)ばかりでは

未来に対する不安や悩みが大きくなるだろう

 

一方で未来のことばかりでは

今を我慢することが多くなるので心が荒むことだろう

 

すべては自分で最適なバランスを取ること

 

つまり

適切なことを

適切なときに

適切な度合いで

適切な動機から

適切な方法ですること

 

古代哲学者アリストテレスが言うところの「中庸」

しかし

中庸は普遍的なものではあるが

どんな状況においても中庸を見極めるのは容易ではない

 

そのときの状況がつねに変化し現われ

それぞれの状況で何が適切かは

その時の自分の能力や限りある知識の範囲内でしか

評価判断できないから

 

だから

多くの引き出し持って解決できるように

知識の巾(教養)を日々積み上げておくこと

 

それに加え

一人ですべてを解決できることないから

良い人間関係(頼れる人も含む)、信頼関係を築き維持すること

 

しかし

これらは一朝一夕でできるものではない

 

誰しも限界はある

 

それらを踏まえれば

最後はこれが一番大切なことだが

その時々の自分の能力を受け入れること

(自己受容力)

 

「起きたことは仕方ないこと」

 

自分も人も

 

同じ常識もあれば違う常識もある

 

同じ考え方もあれば違う考え方もある

 

意識するところも習慣も違う

 

ならば当然

いつでもどんなときでも不都合な想定外は起こり得る

 

不都合な出来事が起きた時に

不快な状況が訪れたとき

いかに自分にも人にも優しくなれるか

 

 

あなたは今の選択に満足してますか?

 

それに対するエラーを受け入れられますか?

目的があれば乗り越えられる?

ナチス強制収容所で4年を過ごした精神科医

ヴィクトール・フランクル氏は

「夜と霧」にこう記している

 

強制収容所の人間を精神的に奮い立たせるには

  まず未来に目的をもたせなければならなかった

  被収容者を対象とした

  心理療法や精神衛生の治療の試みがしたがうべきは

  ニーチェの的を射た格言だろう

 『なぜ生きるかを知っている者は

  どのように生きることにも耐える』

  したがって被収容者には

  彼らが生きる『なぜ』を

  生きる目的をことあるごとに意識させ

  現在のありようの悲惨な『どのように』に

  つまり収容所生活のおぞましさに

  精神的に耐え抵抗できるようにしてやらねばならない」

 

フランクル氏は

生涯を通して人生の意味の問題を追い続けた人物

 

アウシュビッツでも生き延びる態度を崩さなかった彼は

やがて人間はむしろ人生から「価値観」を問われているのであり

それに責任をもって答えなくてはならないとの境地にいたっている

 

明確な「価値観」は

ナチスの迫害すら耐え抜くモチベーションを

与えてくれるという

 

事実

多くのデータがフランクル氏の結論を支持している

 

2014年にロチェスター大学が行った

コーホート研究では6千人の男女に

「価値観を持って生きているか?」と尋ねたところ

この質問にイエスと答えた人は14年後の死亡率が15%低い傾向があった

 

自分の「価値観」に沿って

人生を生きている人ほど寿命が長かった

 

データによれば

価値観が明確な人は

自然と健康的な食事と運動を実践しているとのこと

 

この結果について研究チームは

「人間は人生に何らかの方向性が必要なのだろう」と

コメントしている

 

さらに

あなたの価値観は収入にも影響する

 

5千人のアメリカ人を10年ほど追跡した

コーネル大学の調査では

自分の価値観に従って毎日暮らす人ほど

収入と貯金額が多く

「人生の価値観」の強さが標準偏差から

1つ高くなるごとに貯金額は244万円ずつ増えていたという

 

この傾向は

被験者の性格や人生の満足度を考慮しても変わらない

 

要するに

あなたが商売に不向きな性格だろうが

現在の環境が恵まれていなくても

人生の価値観を強く持っていれば年収も増えていく

 

人生の価値観が

仕事のトラブルに対するバッファーとして

働くからだろう

 

価値観に沿って生きるほど

日々の悩みは消え

自然と自分をいたわる行動が増えてくる

 

不安に立ち向かうには

まずあなたの「価値観」を見定めることから始めよう

 

著書の引用はここまで

 

ヴィクトール・フランクル氏の話はよく知られていること

 

名著『7つの習慣』にも出てくる話

 

ここからがさらに知ってほしいことは

価値観に沿って生きる目的は

あなたの命を長くするためでも

あなたの収入を増やすことでもない

 

そんなものは結果でしかない

 

「価値観に沿って生きる」とは

あなたの人生をよりよくすること

あなたの身近な人の人生をよりよくすること

何より社会をよりよくすることに

最も必要な「自制心を鍛えること」を意味することであり

 

そして 

カントが言うところの

「人格を目的にすること」を意味する

 

日々を楽しく生きようとするより

現状を維持しようとするより

それがあなたの不安を解消し

あなたが充実した日々を送ることができるようになる

 

それはなぜか

分かりますか?

価値観に沿って生きることは・・・

ナチス強制収容所で4年を過ごした精神科医

ヴィクトール・フランクル氏は

「夜と霧」にこう記した

 

強制収容所の人間を精神的に奮い立たせるには

  まず未来に目的をもたせなければならなかった 

  被収容者を対象とした

  心理療法や精神衛生の治療の試みがしたがうべきは

  ニーチェの的を射た格言だろう 

『なぜ生きるかを知っている者は

    どのように生きることにも耐える』 

  したがって被収容者には

  彼らが生きる『なぜ』を

  生きる目的を  ことあるごとに意識させ

  現在のありようの悲惨な『どのように』に

  つまり収容所生活のおぞましさに

  精神的に耐え抵抗できるようにしてやらねばならない」

 

フランクル氏は

生涯を通して人生の意味の問題を追い続けた人物

 

アウシュビッツでも生き延びる態度を崩さなかった彼は

やがて人間はむしろ人生から「価値観」を問われているのであり

それに責任をもって答えなくてはならないとの境地にいたっている

 

明確な「価値観」は

ナチスの迫害すら耐え抜くモチベーションを

与えてくれるという

 

事実

多くのデータがフランクル氏の結論を支持している

 

2014年にロチェスター大学が行った

コーホート研究では

6千人の男女に

「価値観を持って生きているか?」と尋ねたところ

この質問にイエスと答えた人は

14年後の死亡率が15%低い傾向があった

 

自分の「価値観」に沿って

人生を生きている人ほど寿命が長かった

 

データによれば

価値観が明確な人は

自然と健康的な食事と運動を実践しているとのこと

 

この結果について研究チームは

「人間は人生に何らかの方向性が必要なのだろう」と

コメントしている

 

さらに

あなたの価値観は収入にも影響する

 

5千人のアメリカ人を10年ほど追跡した

コーネル大学の調査では

自分の価値観に従って毎日暮らす人ほど

収入と貯金額が多く

「人生の価値観」の強さが標準偏差から

1つ高くなるごとに

貯金額は244万円ずつ増えていたという

 

この傾向は

被験者の性格や人生の満足度を考慮しても変わらない

 

要するに

あなたが商売に不向きな性格だろうが

現在の環境が恵まれていなくても

人生の価値観を強く持っていれば

年収も増えていく

 

人生の価値観が

仕事のトラブルに対するバッファーとして

働くからだろう

 

価値観に沿って生きるほど

日々の悩みは消え

自然と自分をいたわる行動が増えてくる

 

不安に立ち向かうには

まずあなたの「価値観」を見定めることから始めよう

 

著書の引用はここまで

 

ヴィクトール・フランクル氏の話はよく知られていること

 

名著『7つの習慣』にも出てくる話

 

ここからが

あなたの人生にとって大切な話

 

価値観に沿って生きる目的は

あなたの命を長くするためでも

あなたの収入を増やすことでもない

 

そんなものは結果でしかない

 

「価値観に沿って生きる」とは

あなたの人生をよりよくするために

あなたの取り巻く社会をよりよくするために

あなた自身の役割を果たすために

最も必要な「自制心を鍛えること」を意味することである

 

そして

もう一つ

 

カントが言うところの

「人格を目的にすること」を意味する

 

それが誰もが

最も難しい挑戦になるかもしれない

 

しかし 

それがあなたの不安を解消し

あなたが充実した日々を送るための

生涯のプロセスである

 

友人の影響度は大?

「友人を大切に」と言われれば

古臭い道徳訓のように響くかもしれない

 

しかし

ここ数年のデータは

いずれも良好な人間関係がもたらすメリットを

ハッキリと示している

 

代表的なのは

ブリガムヤング大学による2010年のメタ分析

 

研究チームは

過去に行われた「孤独と健康」に関する研究から

31万人分のデータを精査し

人間の寿命を延ばす効果が高い要素を抜き出した

 

その結果は

「良好な社会関係」の数字がずば抜けている

 

孤独だった人に友達ができた場合は

最大で15年も寿命が延びる傾向があったとのこと

 

健康への効果はエクササイズやダイエットの約3倍に当たり

なんと禁煙よりも「友人」のほうが影響が大きいという

 

もうひとつ興味深いのが

ハーバード大学が行った「成人発達研究」

 

これは1939年からスタートした研究で

約80年間にわたって724人の人生を記録し続けたもの

 

全員が10代の学生だったころから調査を始め

定期的に体調や幸福度を尋ねるのはもちろん

かかりつけの医者からカルテを手に入れたり

家族との会話をビデオで収めたりと

膨大な労力が注ぎ込まれた

 

参加者の行く末は幅広く

弁護士や医者になった人

サラリーマンや工場労働者になった人

ボストンのスラム街でホームレスになった人まで様々

 

彼らの多様な人生をすべてパッケージ化したうえで

「人間の幸福にとって最も大事なものとは?」の答えを

数字で割り出した

 

研究のリーダーであるロバート・ウィルディンガー教授は

「彼らの人生から得られた

  何万ページにもなる情報から明らかになったことは何でしょう?

  それは富でも名声でもがむしゃらに働く事でもありません

  私たちの体を健康にし

  心を幸福にしてくれるのは『良い人間関係』です 

  これが結論です」と述べている

 

考えてみれば当然のことだろう

 

いくら富や名声を得ようが

病気にならない完璧な肉体を持とうが

人類の3つの感情システムは最適化されない

 

身近な人たちとの関係が悪ければ

「満足」の機能は活性化されず

手に入れたものはすべて無に帰す

 

もしあなたが幸福よりも富や名声を追うタイプの人間だったとしても

良い友人の重要性は変わらない

 

「成人発達研究」のデータでは

  人間関係が悪い人にくらべて

  良い友人が多い人は3倍も仕事で成功しやすく

  年収も高い傾向が見られたからである

 

再びウィルディンガー教授の発言を引き出そう

 

「良い人間関係は私たちの脳を守ってくれます

  周囲との良い関係を80代までキープできた人や

  何か困ったときに助けを求められる相手がいる人は

  はっきりした記憶を長く持ち続けられます

  しかし困ったときに頼る相手がいないと

  早い段階で記憶力が低下し始まるのです」

 

孤独から来る炎症で体調が崩れ

さらには脳の機能まで衰えてしまうのであれば

仕事のパフォーマンスが下がっていくのは当たり前の話

 

幸福

名声

健康

これらすべて人間関係の土台があってこそ

 

最新の科学からみれば

「自然を大事に」や「友人を大切に」といったフレーズは

遺伝と環境のミスマッチが起きた現代においては

「自然」と「友人」への投資こそが

もっとも費用対効果が高い行為となる

 

著書の引用はここまで

 

すべては「あなたの心」が日常でどうあるか

 

人間関係も心の問題につきる

 

著者の説明であれば

日頃から心を穏やかな状態にしておく習慣のために

無意識的に「自然」や「友人」に頼るということになる

 

しかし

自然に触れ合わなくても

友人がつくれなくても

あなたの心を穏やかになるように

環境を整え

あなた自身の心の柔軟性を身につけるならば

別に必要はないだろう

 

身につけているなら

あくまで自身の経験上では

孤独感を感じることもない

 

一方で

環境の変化から人との他愛ない会話など

あらゆる行為に対して

あなたの心を成り行きに任せるなら

環境の影響力(環境の良し悪し)は大いに関係してくる

 

ただ

良い人間関係の維持は

あなたの心とともに

あなたの人間性が問われることにもなる

 

文脈によって

自分の心の状態によって

相手の心の状態によって

自分の考え方によっても

心が荒んだ状態であれば

いくらでも関係性を悪化させる要因になりうる

 

しかし

誰もが渇望している自己重要感が

最も満たされるのは

良い人間関係からもたらせるものだから

 

だからこそ

自分の人生に

つまり今の仕事に

人間性(人格)」を中心に据えた

 

それこそが自分の心とともに

周りの心を安定しやすくするためにもだ

 

人格を目的にするという

理性だけではカントの考えはとても難しいこと

 

としても

外的なものであなたの心が振り回されないよう

ブレナイ自分軸を形成していく必要がある

 

右肩上がりの成長は続かないし

想定外の不都合なこともあるし

いろいろな文脈が環境を変化させようとする

 

それに加えて

人間性は脆い

 

 

それらに目を背けては

よりよい関係性は築けないし維持できない

 

あなたの心がどんな状態のときに

間違いを素直に認められますか

失敗を素直に認められますか

人の間違いを許せますか

人の失敗をリカバーしてあげようと思いますか

嫌なことがあっても前に進もうとしますか

損をしてでも自分の大切な価値観を優先しますか

自分の都合より相手の都合を考えますか

 

今がそうなら

今の心を自覚し

環境を見渡して

どうすればその状態が維持できるかを考えよう

 

今はそう思わないなら

準備として

そういう心の状態になるよう

そして維持できるか考えよう

 

一朝一夕でできるようなものでもないから

 

自身はずっと10年以上

現在進行形で挑戦中(試行錯誤中)

 

すべてはあなたの心の状態が

あなたの日々のあらゆる行為を左右する 

人間は自然の影響力は大?

 

自然の効果を示すデータで有名なのは

2016年にダービー大学が行ったメタ分析

 

研究チームは

「自然との触れ合いはどれだけ

  体にいいのか?」を調べるために

過去のデータから871人分をまとめて

大きな答えを出している

 

その結論をひとことで言えば

「自然との触れ合いにより

  確実に人体の副交感神経は活性化する」というもの

 

副交感神経は気持ちが

穏やかなときに働き出す自律神経

 

日中にたまった疲れやダメージを回復させる働きを持っている

 

つまり

自然は人体の疲労を回復する働きを持つということ

 

また

このデータでは「d=0.71」という効果量も出ている

 

効果量は統計手法のひとつで

論文の中では平均値の差を標準化したものを表わすが

ここでは大ざっぱに「自然の癒し効果」を表わした数字だと

考えても差し支えない

 

一般的には効果量は0.5を超えると

「効果大」と判断されるため

「0.71」はかなりの好成績

 

たとえば

自立訓練やマッサージのような定番の

ラクゼーション法は

副交感神経の活性レベルが「0.57」と出ている

 

自然どの触れ合いの数値を下回っている

 

単純な比較とはなるが

自然との触れ合いに

体のダメージを癒す効果があるのは確実だろう

 

自然がここまでの効果を持つのは

人類の「感情システム」に影響を与えるから

 

「感情システム」は人間の心の働きを

3種類に分類した考え方

 

一つが興奮

「喜び」や「快楽」といったポジティブな感情をつくり

獲物や食事を探すためのモチベーションを生み出すシステム

おもにドーパミンで制御される

 

二つが満足

「安らぎ」や「親切心」といったポジティブな感情をつくり

同じ種属とのコミュニケーションに役立つシステム

オキシトシンなどで制御される

 

三つが脅威

「不安」や「警戒」といったネガティブな感情をつくり

外敵や危険から身を守るためのシステム

アドレナリンやコルチゾールなどで制御されている

 

人間が最高のパフォーマンスを発揮するためには

三つのシステムがバランス良く機能する必要がある

 

快楽ばかりを追う人生は退廃に至り

安らぎだけの毎日に前進はなく

不安ばかりの暮らしは日々をよどませる

 

それぞれがしっかりかみ合ってこそ

人間はうまく機能できる

 

自然の環境は

三つの感情システムをバランス良く刺激する

 

季節のうつろいや草木の変化がほどよい興奮を生み

緑に守られる安心感が心地よい安らぎを生み

森や川に潜む未知の脅威がときに警戒を生む

 

自然のなかにいれば

特定のシステムが暴走することがない

 

ところが

都市の暮らしでは

おもに「興奮」と「脅威」のシステムだけが

活性化しやすくなる

 

その極端な例といえば

 

古代ローマ帝国だろう

 

当時のローマは

イタリア半島の属州から莫大な富が本国内に流れ込んでいたため

ローマ市民には食料と娯楽がタダで提供されていた

 

世界史にいう「パンとサーカスの都」

 

快楽の追求はエスカレートを続け

やがてローマ人たちは

食べものをいったん吐き出した後

胃袋が空になったところでまた食事を行うようになった

 

鳥の羽で喉の奥をくすぐって嘔吐を繰り返しては

キジの脳やフラミンゴの舌といった珍味をむさぼった

 

いっぽうで

ローマの暮らしは脅威にも満ちていた

 

人口が密集したせいで伝染病に弱くなり

町中に腸チフスマラリアが蔓延

 

蚊が多い7~8月には大量の遺体が路上にあふれ

当時のローマでは夏を「死の季節」と呼ぶほどだった

 

さらに

この時代には

定期的な奴隷の反乱や北方のゲルマン人による侵攻が頻発

 

ローマ市民といえども安定した暮らしを

謳歌できていたわけではない

 

この点から見れば

古代ローマは歴史上もっとも

「興奮」と「脅威」の振れ幅が大きかった時代と言える

 

ここまで極端ではないものの

現代の都市も「興奮」と「脅威」の

どちらかに触れやすい体質を持っている

 

巨大なショッピングセンターやカラオケなどの

娯楽施設がささやかな興奮を提供しつつも

仕事のストレスや経済的な問題により

いつも脅威の感覚がかきたてられ

そのくせ濃密なコミュニケーションが減ったせいで

安らぎの感覚は低下傾向にある

 

ポジティブな感情が多すぎても

ネガティブな感情が少なすぎても

人間の体はうまく機能しない

 

そのためには

できるだけ自然との触れ合いを取り戻し

失われつつある感情システムのバランスを

正していくべきである

 

著書の引用はここまで

 

これをあなたはどう解釈しますか

 

休日に自然と多く触れ合おうとか

自然が多いところに住もうと考えますか

 

ひとつ自身の考えを言えば

感情のバランスを適切にしていくことは必要なことだが

必ずしも自然と触れ合うことがすべてではない

 

今の自分の周りの環境を見渡してみよう

 

もうひとつ

自分自身の心の状態を自覚してみよう

 

日々嫌な人と接するなら

心の状態(感情のバランス)はどうなっているか

 

ネガティブ感情を抱くことだろう

 

日々上司に怒られていたら

心の状態(感情のバランス)はどうなっているか

 

ネガティブ感情を抱くことだろう

 

逆に

 

日々自分の思い通りになっていたら

心の状態(感情のバランス)はどうなっているか

 

ポジティブ感情を抱くことだろう

 

その状態を保持したままでどうなるか

考えることありますか

 

感情のバランスを考えるだけでは

実は問題がある

 

そこらへんのところはおいおい伝えていこう

 

心を穏やかにできる術を覚えたなら

(もちろん理性的でなく感覚的にも)

自然に無理して触れ合う必要はない

 

快楽だけ、ポジティブ思考だけでは

物事をうまく行かせ続けることできない

 

苦痛だけ、ネガティブ思考だけでも同様

 

さらには

快楽の質がどんなものか

 

快楽がギャンブルなのか読書なのか

 

苦痛の質がどんなものか

 

苦痛がハラスメントからもたらせるもなのか

それとも価値を生み出すためにもがいているのか

 

くり返しになるが

感情の「中庸(最適なバランス)」がどんな感覚かを

日々のなかで覚えていこう

 

それは自然以上に

あなたの環境に対する見方と

環境があなたに対する刺激への反応を

心が穏やかになるようになればいい

 

見方を変える

考え方を変える

価値観を見直す

自分の能力範囲を理解する

知の枠組みを広げる

 

などなど

 

感情のバランスがとれるように

理性をうまく使おう

 

心の振れ幅を大きくならないように

常にさざ波状態に戻すこと

 

外的なものに振り回されないように

人のうわさ話

人からの誹謗中傷

人によく見られようすること

 

それらを気にするのであれば

すべて心を乱すもの

 

自分と環境をそのまま

成り行きに任せるなら

 

周りに振り回され

内なるトカゲに従っている状況なら

自然との触れ合いは必要だろう

 

 

環境と自分を常に

よりよくしようと日々試行錯誤しているなら

わざわざ自然に触れ合うことを意識することはない

 

ただしこれは

自身の今の考えであって

正しい答えではない

 

ご自身のやり方で

よりよい人生を築いていこう

 

ここで

そんな自己管理(自分をよりよく)することについて

ひとつ注意しておきたいことを

自身のメンターの話を通して示しておきます

 

自己管理力を高めるため方法は、

逆説的ですが「自己管理を“しようとしない”」ことです

 

私達は自己管理をしようとすればするほど、

自己管理能力が落ちることがわかっています

 

これは『意志力の科学』という本の著者である、

ロイ・バウマイスターの研究で明らかになりました

 

つまり

「自己管理をしようとすればするほど

人は自分に厳しくなる」のですね

 

私たちは自分に厳しくなればなるほど

自堕落になってしまいます

 

では、どうすれば自己管理ができるのか

 

セルフ・コンパッションと言うのですが、

日本語に訳すと「自分への優しさ」です

 

もし自己管理が苦手だと感じているのであれば

もっと自分に優しくしたほうがよいでしょう

 

「自分に厳しいことが、自己管理力を下げている」

ということは覚えておいてください

 

引用はここまで

 

よりよくしようとしてもうまくいかないからといって

投げやりになったり

やめようとしたなら

「自分への優しさ」に目を向けてみよう

 

続ける力は

意志力の強さとか

根性とか

精神力の強さではない

 

いかに自分自身にやさしくなれるか

 

いかに自分を自分でいたわれるか

 

いかに自分を許せるか

 

いかに自分のダメさすべてを受け入れられるか

 

それが一番の続けられるコツ

 

それが一番の諦めないコツ

 

それが一番のやり切るコツ

 

あなたは

自分に厳しくもあり

自分にやさしくもなれる

 

そのバランスを意識しよう

心の状態が良くも悪くも行為を左右する

「友人を大切に」と言われれば

古臭い道徳訓のように響くかもしれない

 

しかし

ここ数年のデータは

いずれも良好な人間関係がもたらすメリットを

ハッキリと示している

 

代表的なのは

ブリガムヤング大学による2010年のメタ分析

 

研究チームは

過去に行われた「孤独と健康」に関する研究から

31万人分のデータを精査し

人間の寿命を延ばす効果が高い要素を抜き出した

 

その結果は

「良好な社会関係」の数字がずば抜けている

 

孤独だった人に友達ができた場合は

最大で15年も寿命が延びる傾向があったとのこと

 

健康への効果はエクササイズやダイエットの約3倍に当たり

なんと禁煙よりも「友人」のほうが影響が大きいという

 

もうひとつ興味深いのが

ハーバード大学が行った「成人発達研究」

 

これは1939年からスタートした研究で

約80年間にわたって724人の人生を記録し続けたもの

 

全員が10代の学生だったころから調査を始め

定期的に体調や幸福度を尋ねるのはもちろん

かかりつけの医者からカルテを手に入れたり

家族との会話をビデオで収めたりと

膨大な労力が注ぎ込まれた

 

参加者の行く末は幅広く

弁護士や医者になった人

サラリーマンや工場労働者になった人

ボストンのスラム街でホームレスになった人まで様々

 

彼らの多様な人生をすべてパッケージ化したうえで

「人間の幸福にとって最も大事なものとは?」の答えを

数字で割り出した

 

研究のリーダーであるロバート・ウィルディンガー教授は

「彼らの人生から得られた

  何万ページにもなる情報から明らかになったことは何でしょう?

  それは富でも名声でもがむしゃらに働く事でもありません 

  私たちの体を健康にし

  心を幸福にしてくれるのは『良い人間関係』です

  これが結論です」と述べている

 

考えてみれば当然のことだろう

 

いくら富や名声を得ようが

病気にならない完璧な肉体を持とうが

人類の3つの感情システムは最適化されない

 

身近な人たちとの関係が悪ければ

「満足」の機能は活性化されず

手に入れたものはすべて無に帰す

 

もしあなたが幸福よりも富や名声を追うタイプの人間だったとしても

良い友人の重要性は変わらない

 

「成人発達研究」のデータでは

人間関係が悪い人にくらべて

良い友人が多い人は3倍も仕事で成功しやすく

年収も高い傾向が見られたからである

 

再びウィルディンガー教授の発言を引き出そう

 

「良い人間関係は私たちの脳を守ってくれます

  周囲との良い関係を80代までキープできた人や

  何か困ったときに助けを求められる相手がいる人は

  はっきりした記憶を長く持ち続けられます

  しかし困ったときに頼る相手がいないと

  早い段階で記憶力が低下し始まるのです」

 

孤独から来る炎症で体調が崩れ

さらには脳の機能まで衰えてしまうのであれば

仕事のパフォーマンスが下がっていくのは当たり前の話

 

幸福

名声

健康

これらすべて人間関係の土台があってこそ

 

最新の科学からみれば

「自然を大切に」や「友人を大切に」といったフレーズは

遺伝と環境のミスマッチが起きた現代においては

「自然」と「友人」への投資こそが

もっとも費用対効果が高い行為となる

すべては「あなたの心」が日常でどうあるか

 

引用はここまで

 

人間関係も心の問題だから

 

著者の説明であれば

日頃から心を穏やかな状態にしておく習慣のために

無意識的に「自然」や「友人」に頼るということになる

 

しかし

自然に触れ合わなくても

友人がつくれなくても

あなたの心を穏やかになるように

環境を整え

心の柔軟性を身につけるならば

別に必要はないだろう

 

身につけているなら

あくまで自身の経験上では

孤独感を感じることもない

 

一方で

環境の変化から人との他愛ない会話など

あらゆる行為に対して

心を成り行きに任せるなら

環境の影響力(環境の良し悪し)は大いに関係してくる

 

ただ

良い人間関係の維持は

あなたの心とともに

あなたの人間性が問われることにもなる

 

文脈によって

自分の心の状態によって

相手の心の状態によって

いくらでも関係性を悪化させる要因があるから

 

しかし

誰もが渇望している自己重要感が

最も満たされるのは

良い人間関係からもたらせるものだから

 

だからこそ

自分の人生に

つまり今の仕事(経営)に

人間性(人格)」を中心に据えた

 

それこそが自分の心とともに

周りの心を安定しやすくするためにもだ

 

人格を目的にするという

理性だけではカントの考えはとても難しいこと

 

としても

心の安定に欠かせない

ブレナイ自分軸を形成していくうえで

人間性を磨くこと

 

右肩上がりの成長は続かないし

想定外の不都合なこともあるし

いろいろな文脈が環境を変化させようとする

 

それに加えて

人間性は脆い

 

 

それらに目を背けては

よりよい関係性は築けないし維持できない

 

あなたの心がどんな状態のときに

間違いを素直に認められますか

失敗を素直に認められますか

人の間違いを許せますか

人の失敗をリカバーしてあげようと思いますか

嫌なことがあっても前に進もうとしますか

損をしてでも自分の大切な価値観を優先しますか

自分の都合より相手の都合を考えますか

 

今がそうなら

今の心を自覚し

環境を見渡して

どうすればその状態が維持できるかを考えよう

 

今はそう思わないなら

準備として

そういう心の状態になるよう

そして維持できるか考えよう

 

一朝一夕でできるようなものでもないから

 

自身はずっと10年以上

現在進行形で挑戦中(試行錯誤中)

 

すべてはあなたの心の状態が

あなたの日々のあらゆる行為を左右する